自由に気ままにシネマライフ

映画に関する短いエッセイとその他

あの頃ペニー・レインと

ロックンロールにのって突っ走る快感

2000年、アメリカ、キャメロン・クロウ監督

 サンディエゴ、厳格な母と弟思いの姉と暮らすウィリアム、姉は母親に反発して家出した。ウィリアムは姉が残した何枚かのレコードを聴いて夢中になる。

1973年、すっかりロックファンになったウィリアムは伝説のライターであるレスターの指導で雑誌に記事を書くようになる。やがて有名なローリング・ストーン誌から原稿の依頼がくる。しかしストーン誌の編集員はウィリアムがまさか15歳の少年だとは思わなかった。

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ウィリアムはブレイク寸前のロックグループ、スティルウォーターのツアーに同行して、取材することになる。そしてグルーピーのペニー・レインと知りあい彼女に惹かれてゆく。

 

全編にロックミュージックがながれ、そのロックにのって突っ走る映画だった。純情なウィリアムの成長物語がユーモアたっぷりに描かれる。セックス、ドラッグ、グルーピーたち、仲間割れ、バカ騒ぎ、ミュージシャンの世界は猥雑でイカレた世界だった。でも15歳のウィリアムにとっては何もかもが新鮮で驚きの連続だった。

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仲間割れで険悪な雰囲気のツアーバスの中、一人が「Tiny Dancer」を歌いだすと、それに合わせて全員が歌いだす。ウィリアムも歌いながら、母との約束で「家に帰るよ」とペニーに話しかけるとペニーは「ここが家よ」と答える。全員が仲間であり家族だった。

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しかし人気ギタリストのラッセルは恋仲だったペニーを捨てる。彼女に片想いしていたウィリアムは「ペニーをさんざん利用して捨てた。彼女はスティルウォーターの音楽を愛する本当のファンだったのに」と怒りをぶちまける。

 監督の思いが伝わってくる映画でお気に入りの作品だ。