自由に気ままにシネマライフ

映画に関する短いエッセイとその他

赤毛のアン(特別版)1985年

豊かな想像力をもつと女王のように幸せになれる

カナダ、アメリカ ケヴィン・サリヴァン監督

原作はルーシー・モード・モンゴメリの長編小説。193分のテレビドラマ。

 

1880年代、カナダで一番美しい島、プリンスエドワード島を舞台に孤児のアンが年老いたマシューとマリラの兄妹に引き取られ、グリーン・ゲイブルズの美しい自然の中で成長してゆく。

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アンは想像力が豊かでいつもロマンチックな夢をみる13歳のおしゃべりな赤毛の少女だった。初めはアンを引き取ることに躊躇していたマリラとマシューはいつしかアンを実の娘のように思い始める。

当時、孤児の境遇はとても悲惨なもので、アンはグリーン・ゲイブルズにすっかり魅了され、孤児院に返されたくなかったので必死になって礼儀作法を学んでゆく。

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花が咲き乱れる春、樹々や草の青さが目にしみる夏、鮮やかな紅葉の秋、そして雪景色の冬、美しい自然の中、そして人の善意に包まれてアンはクィーン学院を一番の成績で卒業する。

 

13歳のアンは自分の赤毛を恥ずかしく思い、ロマンチックな金髪に憧れていた。同級生のギルバートに赤毛をニンジンとからかわれて怒りが爆発する。

しかし人を許すことをマリラから教わり、16歳になったアンはギルバートにニンジンと言われても微笑むだけだった。赤毛は恥ずかしい事ではなく、それは個性だった。アンはいつしか大人の入り口に立っていた。

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マシューが突然亡くなり、アンは大学の夢をあきらめグリーン・ゲイブルズで教師になる。

 

大人の女性たちは赤毛の少女の夢物語に胸をときめかすだろう。もう忘れているかもしれないが「大人はかつて子どもだった」からだ。