自由に気ままにシネマライフ

映画に関する短いエッセイとその他

世界一キライなあなたに 2016年

愛でも癒せないものがある

アメリカ、テア・シャーロック監督              

原作はジョジョモイーズの小説「ミー・ビフォア・ユー」

イギリスの田舎町、26歳のルーは明るい性格だが、毎日をただ何となく過ごしていた。勤めていたカフェが閉店になり、特別な技能も経験もない彼女にぴったりの仕事はなかった。ところが6か月限定だが、給料がとてもいい介護の仕事が見つかる。

 

バイク事故で脊椎損傷になり首から下がマヒした青年実業家のウィルの介護だった。それは自殺防止の監視役でもあった。かれは富豪の息子で大きな城に住んでいた。

夢にでてくる自分と今の自分との違いに絶望し、生きる意欲を失っていたウィルはルーの明るさに惹かれてゆく。じつは6カ月限定の仕事ということに深い意味があった。

 

ルーは愛でも癒せない苦しみがあることを知る。そして人生にさしたる目標を持たなかったルーはウィルから未来に夢をもって生きることを教わる。

 

あまり興味をひかない邦題だったが、あるブログで紹介されており、かえって興味津々になり鑑賞した。

名作、傑作の類ではないが、シンプルなストーリーで、しかもキュートなルーとそのファッションがおかしくて最後まで惹きつけられた。安楽死という重いテーマを扱いながらも、ユーモアを交え、さっぱりとした作品に仕上がっていた。