自由に気ままにシネマライフ

映画に関する短いエッセイとその他

藻谷浩介「しなやかな日本列島のつくりかた」

「現智の人たち」7人との対話集

第一章「商店街」は起業家精神を取り戻せるか

起業家精神もなく不動産を固守する店主。町を私物化する集団が町を内部から腐らせてゆく。20世紀に発明された商店街を残す意義。

第二章「限界集落」と効率化の罠

なぜ限界集落は今なお残っているのか。多様な暮らし方が存在することに意味がある。少子化のすすむ「限界国家」日本は暮らしを経済の上位におくことに再生の糸口がある。

第三章「観光地」は脱・B級志向で強くなる

スイスのように富裕層を狙え。明日ではなく、次世代のことを考えるべきだ。まず地域が豊かになること。単発イベントは地域をダメにする。

第四章「農業」再生の鍵は技能にあり

補助金の利権に群がる人たち、土地所有者の横暴。誤った実践が日本農業に絶望をもたらした。いい農家は太陽光線を上手につかい、安くていいものをつくる。自然エネルギーを有効に使えない農業は衰退する。

第五章「医療」は激増する高齢者に対応できるか

医療費の激増で財政は破綻する。医療を市場メカニズムにさらすことの危険性。日本の高齢化率はアメリカより高いのに、一人当たりの医療費はアメリカより安い。日本の医療は世界一優れている。しかし医療にたかるな。

第六章「赤字鉄道」はなぜ廃止してはいけないか                                                    

道路には莫大な税金をつかい大赤字なのに、わずかな赤字の鉄道を廃線にする。鉄道は地域に多大な利益をもたらしている。海外ではクルマ社会を見直し鉄道を復興させようとしている。

第七章「ユーカリが丘」の奇跡

佐倉市、80年代前半、不動産会社が開拓し、鉄道を敷き、住宅、ホテル、映画館、コミュニティセンター・・をつくり、ニュータウンが誕生した。非上場企業だから配当を最大にする必要がない。

「希望も絶望も東京に引きこもる人間の妄想だ。現場は楽観も悲観もせずに前に進んでいる」