剪定しないといい梅の実がならない
日本、和島香太郎監督、77分
占い業を営む山田珠子は50歳の自閉症の息子忠男と暮らしていた。庭の梅の木は私道まで伸びて通行の邪魔になっていた。梅の木を切ろうとすると、忠男はまるで自分が切られるかのように怖がっていた。
隣家に里村茂とその妻と小学生の息子が引っ越してきた。
珠子は自分が死んだ後のことを考え、知的障碍者が暮らすグループホームに忠男を入所させる。グループホームと地域コミュニティとの対立が続いていた。
そんなある夜、忠男が巻き込まれる事件が起こり、住民たちから「グループホーム反対」の運動が起こる。
地域住民との対立と隣家との交流をスケッチ風に切り取った作品。忠男に偏見を持つ乗馬クラブ経営者の女性に珠子は「町の人たちがあなたを追い出したかい、お互い様でしょう」と諭す。
もう少し描き込めばもっといい映画になったと思う。ただいろいろと考え込んでしまう物語だった。
ことわざ「桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿」は桜のように自由に枝を伸ばしてあげることが必要な場合と、梅のように手をかけて育てることが必要な場合があるという意味。
人を育てることも同じだ。