ヘイトクライムを描いた社会派サスペンス
アメリカ、エドワード・ドミトリク監督
第二次大戦が終わり、兵士たちがアメリカに戻ってきた時代、ユダヤ人のサミュエルが殺された。
フィンレイ警部は、その夜、サミュエルが3人の復員兵とバーで酒を呑んでいたことをサミュエルの女友達から聞く。フィンレイ警部はこの中に犯人はいるのではないかと3人の行方を捜す。
3人のうちの1人モンゴメリーから話を聞くが、3人はサミュエルと初対面であり、殺す動機がなかった。そこで動機は金銭ではなく、犯人の心の中にあるとフィンレイ警部は推理した。
フィンレイ警部は復員兵たちに祖父の物語を静かに語り始める。
100年前、ジャガイモ飢饉でアイルランドから多くの人がアメリカに渡ってきた。その中に祖父がいた。必死で働き、何とか食っていけるようになった。自分はアメリカ人だと祖父は信じていたが、そうは思っていなかった人たちがいた。
外国からの移民であり、宗教も違うアイリッシュ・カトリックへの憎悪から、祖父が殺された。
復員兵モンゴメリーの口癖は「俺たちは苦しんでいるのに、ユダヤ人は甘い汁をすっている」だった。
自分と違うものへの憎悪が殺人の動機だったのだ。