珍しいサボテンの花が咲いた
ジョージア、フランス、ラナ・ゴゴベリゼ監督
ジョージアの首都トビリシ、19世紀に建てられた家で娘夫婦と暮らす作家のエレネは79歳の誕生日を迎えた。
「人生は短い旅よ。老いは孤独、一生を共に過ごした人はもういない」とため息をつく。彼女はひざを痛めて杖をつき、外出できない身体だった。
アルツハイマーの症状が出始めた娘婿の母親ミランダと一緒に暮らし始める。ミランダはジョージアのソビエト時代に政府の高官だった。
ソビエト時代、エレネの母は収容所に送られた。エレナの本は第三書記だったミランダによって発禁になった。
エレネの誕生日に、60年前の恋人アルチルから電話がかかってくる。彼も妻を亡くし、車いすの生活だった。
エレナはひ孫に「日本人は壊れた器を金で修復するのよ」と教える。「金継ぎ」という伝統的な修復技術だった。
そして「過去に囚われても、過去を壊してもいけない。金の糸で過去を繋ぎ合わせるのよ」そうすれば過去は美しく蘇る。