「生命の緊急時、ストレスホルモンは免疫システムが使っていたエネルギーや栄養をストレスと戦うための他の緊急システム(心臓、筋肉、呼吸、知覚など)に振り向けるようなスイッチとなる。
つまりストレスホルモンは免疫抑制剤なのである」
「長い歴史でストレスは一時的なものだったが、現代では一過性ではなく恒常的なものだ。免疫システムの抑制は、癌に対する警戒網を弱める。
癌になりたくなければできるだけストレスホルモンの上昇を避け、交感神経を刺激しないようにするのがよい」
「結婚生活はストレスであるものの、独身生活を貫くのもストレス。
ちなみに勃起するには交感神経の活性化が必要だが、射精を導くには迷走神経(副交感神経)が優位に転じる必要がある。女性も同じ原理」
交感神経がアクセルなら、ブレーキに当たるものが迷走神経に代表される副交感神経。
思い惑うのではなく、なるべくストレスから遠ざかること、あるいはすぐ忘れる事、すべては流れゆくので、流れに抗せず、流れにまかせることが大切、そうすれば免疫システムの抑制が起こらず、免疫力がアップしてくる・・・と福岡は語っている。
つまり「迷走生活」とは些事にとらわれず、朗らかに長生きする生活のことだった。