人の心はミステリー
日本、今泉力哉監督 143分
かなえは夫の悟と亡くなった父親が残した銭湯「月乃湯」を経営していたが、ある日、夫が失踪してしまう。
銭湯組合から紹介された堀という男が雇ってほしいとやってくる。いつまで務めるか分からないが、住み込みで働くことになる。しかし堀には何か隠された理由があるようだった。
一方、夫の悟は幼い頃、両親を交通事故で亡くし、施設で育ったと言っていたが、それが胡散臭い探偵山崎の調査で嘘だと分かる。両親は2年前に亡くなり、出生地も違っていた。悟は嘘を重ねて生きてきたのだ。
かなえも明かされたくない子どもの頃のある出来事を隠していた。そのために首を絞められ水の中に沈められるという悪夢に悩まされていた。
3人、それぞれが秘密を抱えていた。
堀は「月乃湯」を去ろうとするが、思い直して、ここに来た理由をかなえに話そうとする。
ラストシーン、かなえが川べりを歩きながら犬を散歩させている。その少し後ろから、歩いてゆく堀の姿が見える。二人の間に何があったのだろうか。
ミステリアスな心の奥底を深く描いた作品だった。もう少し尺を短くすればもっといい作品になっただろう。
アンダーカレントとは「心の奥底に流れるもの」「表面の考えや感情とは違う本心」のようなものという意味。原作は豊田徹也の漫画「アンダーカレント」