自由に気ままにシネマライフ

映画に関する短いエッセイとその他

オンリー・ザ・ブレイブ 2017年

2013年、アリゾナ州、ヤーネルヒル火災の出来事

アメリカ、ジョセフ・コジンスキー監督

アリゾナ州の町、プレスコット、薬物中毒の青年ブレンダンは恋人が妊娠したことで更生を決意し地元の森林消防隊に入隊する。

森林消防隊の指揮官エリックはホットショット(消火の精鋭部隊)への昇格を願っていた。その願いが叶い、地方自治体としては初めてのホットショットの認可がおり、「グラニット・マウンテン・ホットショット」と名付ける。

エリックは山頂からの雄大な景色を見て「目の前に広がるのは燃料源だ」と隊員たちに訓示する。

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いったん山火事が起これば、あっという間に広がり、町が燃えてしまう。空から散水し、地上ではチェーンソーで草木を切り、溝を掘り防火帯をつくる。飛び火しないように火災の進行方向の木々に火を放ち、空き地をつくる。火で火を抑えこむ。

 

彼らの活躍は新聞でも報道され、町のヒーローになる。

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ある日、山火事が発生した。簡単に消火できると思っていたが、驚くほど火足が速く、あっという間に火に囲まれ19人のホットショット隊は逃げ場を失った。

隊員たちはそれぞれが防火テントを身に纏い地面に伏せて,高熱の中、火が通り過ぎるのを待つ。しかしそれは生き残るための最後の手段だった。

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かつてエリックは火だるまの熊が走り去るのを見たことがある。美しくて恐ろしい光景だった。防火テントの中でそのことを思い出す。

 

建物火災とは違い山林火災には息をのむような美しさがあった。劇的なドラマ性はないが、実話らしい強烈な結末がこの映画を単なるエンターテインメントにしなかった。