敗れざる二人の女
アメリカ、テイラー・シェリダン監督、100分
モンタナ州、森林消防隊員のハンナは過去に山火事で少年たちを救えなかったことがトラウマになっていた。ある日、森の中で少年コナーと出会う。
コナーと父親はフロリダ州からこの土地の保安官イーサンを頼って殺し屋たちから逃げてきたのだ。彼らを追ってモンタナにやってきた二人の暗殺者は山に火を放ち大きな山火事を起こす。
少年コナーは殺された父親が命をかけて守り抜いた秘密を隠し持っていた。殺し屋たちはその秘密文書とコナーを抹殺しようとする。ハンナはコナーを助けようと監視塔に逃げ込む。
森林火災と暗殺者という組み合わせが絶妙な緊迫感を醸し出していた。舞台はほとんどが森の中だ。暗殺者たちは平凡な男のように見えたが、それがかえって凄みを感じさせた。
それ以上に保安官イーサンの妻で妊娠中のアリソンの存在が強烈だ。予想もできなかった彼女の不屈の闘志はこの映画の大きな見どころになっていた。
あまり期待していなかった作品だが予想以上に面白く、緊迫感の途切れない映画だった。
鑑賞後、監督があの「ウインド・リバー」のテイラー・シェリダンだと知って納得した。