オートクチュールからプレタポルテの時代へ
イギリス、アンソニー・ファビアン監督 116分
1957年、ロンドン、戦争で夫を失った家政婦のミセス・ハリスは仕事先で出会ったクリスチャン・ディオールのドレスに魅せられる。
それはオートクチュールで手の届く価格ではなかったが、どうしてもディオールのドレスが欲しくて、必死になって資金を貯める。集まったお金をもってパリのディオールの本店を訪ねるが、女性支配人のコルベールに追い返されてしまう。
しかしミセス・ハリスはそんなことで諦めなかった。持ち前の親切と善意で周りの人々を味方にして夢を叶えてゆく。
しかしあっけなくオートクチュールのドレスが燃えてしまう。しかしそれでも彼女を助ける多くの人がいた。やがて彼女はダンスパーティにディオールのドレスを着て、現れる。
コメディタッチのファンタジーのようで、どこかリアリズムも感じさせる物語だった。屈託のないミセス・ハリスの生き方が観客の共感をよぶ。
登場人物のほとんど全員がハッピーになってしまうような映画も珍しい。気分が落ち込んだときに観るのにはもってこいのイギリス映画だった。