自由に気ままにシネマライフ

映画に関する短いエッセイとその他

素晴らしき哉、人生! 1946年

古き良き時代のアメリカ映画

アメリカ、フランク・キャプラ監督 130分

ジョージの父は町で誠実な住宅ローン会社を経営していた。1928年、ジョージは町を出て、世界を旅し、大学で学ぼうとしていた。

 

ところが父親が急死し、悪徳実業家のポッターから会社を守るために町に残り、父の後を継ぐ。やがて彼は結婚し、子どもたちにも恵まれる。ジョージは自分よりも他人のために尽くす男だった。

1945年のクリスマス・イブ、叔父が会社の金8000ドルを紛失してしまい、会社は窮地に追い込まれる。ジョージは金策の当てがなく、自分は役立たずだと思い、人生を恨み、自暴自棄になり、河に飛び込んで自殺しようとする。

 

そこに2級天使クラレンスが現れ、彼を助ける。そしてジョージが生まれなかった世界を彼に見せる。町の人たちの心は荒んで、殺伐と暮らし、けばけばしいネオンがあふれる背徳の町だった。ジョージの妻も子供たちもいない寂しい世界だった。

 

ジョージは自分の人生がどれだけ素晴らしいものであったかを改めて知る。

やがて町の人たちの善意で8000ドルを超える寄付金が集まる。

蛍の光」が流れる中、ジョージの家族や街の人たちの大合唱で終わる。「友ある者は救われる」

 

アメリカの良心をファンタジックに描いた作品で、フランク・キャプラ監督の珠玉の一本だった。