自由に気ままにシネマライフ

映画に関する短いエッセイとその他

ブルックリン横丁 1945年

少女の成長物語

アメリカ、エリア・カザン監督

20世紀初頭のブルックリン、貧しいアパートメントに住むノーラン一家。ウェイターの夫ジョニーは楽天的な男で稼ぎが少なく、稼ぎのほとんどが飲み代に消えてしまった。しかし誰からも愛される男だった。

 

妻ケティーはアパートの掃除婦として働き、生活を支えていたが、苦しい生活にいら立っていた。フランシーとニーリーの姉弟は鉄くずを集め、廃品回収業者に売り、家計を助けていた。

フランシーは作文が上手だった。ある日、女教師からこういわれる。「真実を語るための嘘は嘘ではなく物語になる。空想だけで物語は作れない。夢見る人では誰も救えない」フランシーは作家になる決心をする。

 

売れ残ったクリスマス・ツリーをもらってきたフランシーとニーリーは家族でクリスマスを祝う。

でもケティーが妊娠して生活はますます苦しくなる一方だった。アル中の夫ジョニーは金を稼ぐために仕事を探しまわるが、無理がたたって肺炎で亡くなる。

 

モノクロ映像がよく似合う物語だった。ブルックリン横丁にはかつての日本の下町のような貧しいが古き良き時代の懐かしさがあった。一つのクリスマス・ストーリーだと言えるだろう。

 

私たちも子供の頃はこんな横丁で暮らしていた。今思えば幸せな日々だった。