自由に気ままにシネマライフ

映画に関する短いエッセイとその他

ミーン・ストリート 1973年

スコセッシとデ・ニーロが初めて組んだ伝説的作品

アメリカ、マーティン・スコセッシ監督、112分

ニューヨークの下町に生きる若者たちの友情、暴力、挫折、青春を描いた作品。ハーヴェイ・カイテルロバート・デ・ニーロが腐れ縁の親友役を演じていた。

「ビ―・マイ・ベイビー」の曲にのって物語は始まる。

マフィア幹部の叔父をもつイタリア系のチャーリーと彼の親友であるジョニー。

ジョニーは借金まみれのイカれた男で金貸しのマイケルから多額の借金があった。いつまでも借金を返さないことでトラブルになっていた。怖いもの知らずのジョニーはそんなことを気にしていなかった。

 

チャーリーは叔父にレストランを任せるというチャンスを与えられるが、その条件として「ジョニーのような男と付き合うな」と言われる。しかし彼はどうしようもないイカれ野郎のジョニーを庇い、見捨てられなかった。

バーにたむろして喧嘩に明け暮れる男たちのチンピラのような生活とムンムンとするようなニューヨークの夜が描かれる。

 

それほど際立ったストーリーがあるわけでないが、ニューヨークの退廃的な雰囲気がひしひしと伝わってくる。ギャング映画のエッセンスがたっぷりだった。

 

前半は少しつかみどころのない展開だったが、後半に入ると物語が動いてゆき、終盤はニューヨークの闇が強烈に迫ってくる。傑作「タクシードライバー」と比べると粗削りだが、それでも初期の作品らしい初々しさが魅力だった。