アメリカ国民の犠牲は許せない
アメリカ、ヴィム・ヴェンダース監督
2001年9月11日のテロから2年後、テルアビブ空港から20歳のラナは母の手紙を伯父ポールに渡すためにロサンゼルス空港に降り立った。
ラナは伝道所でホームレスたちへのボランティアをしながら伯父の居所を探す。
ポールはベトナム帰還兵で9.11のショックからベトナムでの悪夢がよみがえり、アメリカを守るために車で街を廻り、テロリストたちを捕らえようとしていた。このポールの被害妄想的な行動には奇妙なリアリティがあった。
9.11の日、ラナの住んでいる町ではアメリカへの憎しみから歓声があがったという。ポールは「なぜだ」と信じられなかった。
ある夜、テロリストらしきアラブ系の男を追っていると、突然、現れた車から発砲され、その男が撃ち殺されてしまう。
その男の兄がトロナの町に住んでいるということを知ったラナは、ポールと共に遺体を兄の元に返すためにトロナに向かう。
母親の手紙にはこう書かれていた。「私はもうすぐ亡くなります。娘ラナに残された家族は父親と兄のあなただけです。ラナに勇気を教えられるのは兄さんだけです」
ポールは妄想から目覚め、現実を見つめる。そしてラナと共に「あの場所」を訪れる。
エンディングに流れる曲「♪この国の光がいつか真実を照らすように・・♪」