スペイン発の奇妙な味の作品
スペイン、カルロタ・ペレダ監督 99分
スペインの田舎町、肉屋の娘で10代の少女サラはその超肥満体型からクラスメートからイジメをうけていた。ある日、あまりの暑さにサラは一人で天然プールに出かける。
そこで怪しい男と3人のいじめっ子に出会う。いじめっ子たちはイジメの様子を動画に撮り、服やナップザックを持去ってしまう。怪しい男はその様子を見ていた。
サラは水着姿のまま田舎道を走りながら、家に戻ろうとする。その途中、怪しい男が血だらけになったいじめっ子たちを車で連れ去ってしまうところを目撃する。男は殺人鬼だった。
いじめっ子は助けを求めるが、サラは怖くて茫然としてしまう。そして「いい気味だ」と思う。
サラが家に帰ると、プールの監視員が殺されて、警察がやってきて大騒ぎになっていた。
サラはプールに行っていたことも3人が拉致されたことも家族にも警察にも言わなかった。拉致されたことを話すべきかどうか、サラはどうしていいのか分からなくなって右往左往する。いじめっ子たちを助けるべきなのかと葛藤するサラ。
サラは口うるさく、抑圧的な母親に我慢できなかった。それに比べて何故か殺人鬼の男はサラには好意をもち、気持ちを分かってくれているようだった。
なによりもサラ役のラウラ・ガランの超肥満体が記憶に残る映画だった。
スペインのゴヤ賞など90以上の賞に輝いた短編を長編化した。