自由に気ままにシネマライフ

映画に関する短いエッセイとその他

ベイビー・ブローカー 2022年

善人なのか、悪人なのか

韓国、是枝裕和監督 130分

クリーニング店主のサンヒョンは借金取りに追われていた。ベイビーボックス赤ちゃんポスト)のある施設で働く児童養護施設出身のドンス、二人には「ベイビー・ブローカー」という裏家業があった。赤ちゃんを売るのだった。

彼らにはあまり罪悪感はなかった。

若い女ソヨンがベイビーボックスの前に赤ん坊を置いてゆく。その赤ん坊をこっそりと盗み出すサンヒョンとドンス。翌日、ソヨンは思い直して戻ってくるが、赤ん坊は消えていた。やがてソヨンとサンヒョンとドンスは養子縁組をしてくれる赤ん坊の買主を探す旅に出る。

 

一方、人身売買で現行犯逮捕しようと尾行を続けていた二人の女刑事が彼らを追ってゆく。やがてソヨンが赤ん坊の父親であるヤクザの幹部を殺していたことがわかる。

赤ん坊を捨てたソヨンだったが、いつしか赤ん坊に感謝してこう言う「生まれてきてくれて、ありがとう」

赤ん坊を捨てた多くの母親が「迎えにくる」という手紙を残して去ってゆく。しかし迎えに来るのは40人に一人だという。ほとんどが母親に捨てられるのだ。

 

日本人監督のせいなのか、韓国映画独特のアクの強さはなく、日本映画のヒューマンドラマのようだった。

ゆったりとしたストーリー展開と俳優陣の演技が見どころだろう。