もう一つの「ひまわり」
ドイツ、アンナ・ジャスティス監督
1976年、ニューヨーク、夫と娘と平穏に暮らすユダヤ人女性アンナは偶然テレビ番組で、死んだと思っていた恋人トマシュの姿を見て驚く。アンナは30年以上前の辛かった日々を振り返る。
1944年、ナチス占領下のポーランド、強制収容所でユダヤ人のアンナと政治犯だったポーランド人のトマシュは愛し合うようになる。そして二人で収容所を脱走して、トマシュの実家に逃げ込むが、トマシュの母はユダヤ人のアンナとの結婚を許さなかった。
トマシュがレジスタンスへの連絡のために、実家を離れると母親はナチスにアンナを引き渡そうとするが失敗する。トマシュをめぐって女同士の冷ややかな関係が続く。
ドイツ軍が撤退するとソ連軍がやってきて、トマシュの兄とその妻を政治犯として連行してゆく。
生き別れになったアンナとトマシュはお互いに死亡したと思っていた。二人はアメリカとポーランドで結婚し、家族をもち、そして32年の月日が経った。
過去の思い出に囚われていたアンナは悩んでいた。その姿を見た夫と娘に過去と決別するためにトマシュと会うことを勧められる。アンナはポーランドに向かう。
デ・シーカ監督の名作「ひまわり」の切なさを思い出させる映画だった。