自由に気ままにシネマライフ

映画に関する短いエッセイとその他

縞模様のパジャマの少年 2008年

今までとは違った切り口のホロコースト

イギリス、マーク・ハーマン監督、95分

第二次世界大戦下のドイツ、ベルリンに住む8歳の少年ブルーノはドイツ軍将校の父親の赴任地に母、姉とともに引っ越ししてきた。ある日、有刺鉄線に囲まれた農場を見つける。そこはユダヤ人の強制収容所だった。

 

そこで縞模様のパジャマを着た少年シュムエルと出会い、友達になる。ある日、その収容所の煙突から黒い煙が上がり、悪臭がした。

収容所で何が行われているか、大人なら予想できただろうが、8歳の少年にはわからなかった。

軍人はもちろんのこと、洗脳された国民や若者たちがナチズムを信奉していく中で、コトラー中尉の父親はドイツ国外に亡命し、ブルーノの祖母もナチスを嫌っていた。ナチズムを批判する人たちもいた。

収容所は笑いにあふれ楽しいところだというナチスプロパガンダ映画を簡単に信じたブルーノは、縞模様のパジャマを着てシェムエルと一緒に収容所の中に入ってゆく。

 

ユダヤの少年とドイツの少年の友情物語かと思っていたが、ナチズムを少年の目線で描き、予想とはまったく違う作品だった。

鑑賞後、強制収容所の恐怖がじわっと伝わってきた。