自由に気ままにシネマライフ

映画に関する短いエッセイとその他

子鹿物語 1946年

開拓者たちがこの国をつくった

アメリカ クレランス・ブラウン監督

1878年フロリダ、開拓地で農作業をつづけるバクスター一家、11歳の少年ジョディは父ペニー、母オリーと3人で暮らしていた。

町から離れ、近くにはフォレスト一家が住んでいるだけだった。未開の森林での暮らしは厳しいものだった。明るかった母は3人の子供を亡くしてからは笑うことがなかった。

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ある日、父が毒蛇に噛まれ、とっさに近くにいた雌鹿を殺し、その心臓と肝臓で毒を吸い出して一命をとりとめた。しかしその雌鹿には乳離れをしていない子鹿がいた。

ジョディは両親に頼み込んでその子鹿を飼うことになる。遊び相手ができて幸せな日々が続く。

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子鹿の名前は身体が不自由だった友達がつけてくれた「フラッグ」だった。しかしフラッグは大きくなるにしたがって、育てている作物を食べ始める。父は「作物は命、だが子鹿のすることをとめることはできない」と言い、開拓地での飢餓の怖さを知っていた両親は辛い決断をする。

 

絶望のあまり家出していたジョディは帰ってくる。父は「人生は素晴らしいものだが、楽ではない」とジョディを諭す。

ジョディは厳しい開拓地で逞しく生きてゆこうとする。成長した息子の姿を見て父ペニーはこう言う「もう子鹿じゃない」

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開拓者たちのこのような暮らしがあって今のアメリカができた。