タトゥーは皮膚に描かれた表現
スキンヘッド集団「ヴィンランダーズ」の共同創設者ブライアン・ワイドナーの実話を基に映画化された。
2009年、オハイオ州、コロンバス、ブライアンは白人至上主義者の夫婦に実の子のように育てられた。身体中に無数のタトゥーをいれ、黒人やイスラム教徒への憎悪と暴力行為に明け暮れていた。
パーティでブライアンは娘3人をもつシングルマザー、ジュリーと知り合い、過去を悔い改め、スキンヘッド集団を脱退して新しい生活を始めようとする。しかしレイシストのスキンヘッド集団はそれを許さなかった。
ブライアンがジュリーと結婚すると家族への脅迫と暴力が始まる。
反ヘイト団体の運営者で黒人のダリルが彼を助けようとする。「怒りだけでは解決できない。レイシストは殺すか終身刑にするか、更生させるかしかない」
ブライアンは激痛に耐えながらタトゥーを少しずつ消してゆく。612日目に彼のタトゥーはすべて消えた。
私たち日本人はタトゥーに強い拒否反応をおこす。でも不思議なことにこの映画そのものに拒否反応はおこらなかった。どこか柔らかさと穏やかさがあったからだ。
ガイ・ナティーブ監督の短編「SKIN」21分は2018年にアカデミー賞実写短編賞を受賞した。
長編とストーリーは違うが、切れ味の鋭い短編小説を読んでいるような衝撃作だった。DVDには映像特典として収められている。