自由に気ままにシネマライフ

映画に関する短いエッセイとその他

悪い種子 1956年

50年代のB級恐怖映画のおもしろさ

アメリカ、マービン・ルロイ監督

ケネス・ベンマーク大佐と妻クリスティーンには8歳の娘ローダがいた。ローダは金髪の可愛らしくて利口な少女だった。学校のピクニックがあった日、クロード少年が桟橋から落ちて死んだ。

クロードの顔に傷があり、彼の金メダルがなくなっていた。ローダは金メダルを欲しがっていた。直前に、ローダと会っていたという警備員の証言もあった。ローダはクロード少年が亡くなっても、平気で楽しそうにピアノを弾いていた。

母親クリスティーンは以前住んでいたアパートで老婆が階段から落ちて死んだことを思い出す。その死にローダが関係していたのではないかという疑惑をもつ。

父親に会ったクリスティーンは自分が養子であり、実の母親は殺人鬼だったことを知る。悪い種子は遺伝するのか。

やがてローダの犯行を知った雑用係の男が焼き殺される。

残虐なシーンがあるわけではなく、ただひたひたと迫ってくる静かな恐怖があるだけだった。罪の意識もなく天真爛漫な少女の邪悪さが伝わってくる。

 

もともとは舞台劇で映画も舞台劇のようにほとんどが家の中のシーンだったが、結末は大きく違っていた。それは「神の怒り」だった。