自由に気ままにシネマライフ

映画に関する短いエッセイとその他

わたしたち 2016年

友達になれる、何度でも

韓国、ユン・ガウン監督

小学4年生、11歳の少女ソンは学校で仲間外れにされイジメにあっていた。夏休み前に転校生のジアと友達になる。ソンはそれがたまらなく嬉しい。

ジアの家庭は裕福だったが、両親が離婚して母親はイギリスにいるという。ソンの家庭は共働きで愛情いっぱいの母親と酒好きの父親と元気な弟がいた。

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しかし新学期が始まり、あれだけ仲良しだった二人にすれ違いがおこり友情が壊れてゆく。ソンにはなぜジアが急によそよそしくなったのか分からなかった。

そんなソンをみて心配した母親が「何かあったの」と訊くが、ソンは仲間外れやイジメにあっていることを話そうとはしなかった。

 

意外にも同じようにジアも前の学校で仲間外れにあっていた。母親がイギリスにいるというのも嘘だった。

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オープニングのドッジボールのシーン、ソンのあどけない顔のクローズアップから映画は始まり、最後までその顔が忘れられない。

ラストもドッジボールのシーンだった。仲間外れになっていたジアをみて、ソンは勇気をだして、ジアの味方をする。二人はきっとまた友達になれるだろう。

 

余分なものをそぎ落としたシンプルな物語だが、その分、感動は強くなる。

ナイーブな少女たちの心の柔らかさがビビッドに伝わってくる愛くるしい作品だ。