自由に気ままにシネマライフ

映画に関する短いエッセイとその他

3時10分、決断のとき 2007年

男たちの生きざま

アメリカ、ジェームズ・マンゴールド監督

原作はエルモア・レナードの短篇「三時十分発ユマ行き」

f:id:hnhisa24:20211116085139j:plain

南北戦争後のアリゾナ、牧場主のダンは妻と二人の息子との4人暮らしだったが、生活は困窮し土地から追い出されようとしていた。ダンは北軍の狙撃兵で負傷して右足が義足だった。

 

200ドルの報奨金のために強盗団のボス、ウェイドを護送して3時10分発のユマ行列車にのせる仕事に就く。しかしウェイドの手下たちがボスを奪い返そうと襲ってくる。善良で実直なダンと冷酷無比なウェルドは性格も生き方もまったく違っていた。しかしいつしか二人はお互いに親しみを持つようになる。

 

父親ダンのふがいなさに14歳の息子ウィリアムはうんざりしていた。最後にダンは息子に「男はどうあるべきか」を教える。ウェイドは家族のために命をかけようとするダンの「男の生きざま」に胸を打たれ、逃亡することなく自分から列車に乗った。

f:id:hnhisa24:20211116085224j:plain

この映画のオリジナルは1957年のデルマー・デヴィス監督の「決断の3時10分」で、「男の友情」と「夫婦愛」が描かれていた。

ハードボイルドタッチのリメイクとノスタルジックなオリジナル、人によって評価はわかれるだろうが、私は最初に観たオリジナルが忘れられない。

銃撃戦はほとんどなく、心理描写の多い地味な異色の西部劇だが、ラストシーンでは胸が熱くなった。フランキー・レインの歌う主題歌にもわくわくした。

 

マンゴールド監督は若い頃、オリジナル版に感銘をうけ、いつか再映画化しようと思っていたという。その願いが叶った。