自由に気ままにシネマライフ

映画に関する短いエッセイとその他

トムとトーマス 2002年

双子の少年の冒険ファンタジー

イギリス、オランダ、エスメ・ラマーズ監督

クリスマスのロンドン、画家の父親と二人で暮らす9歳の少年トーマスには空想上の友達トムがいた。ところがトムは空想ではなく、カーディーン養護施設に実在したのだ。養子だったトーマスには生まれてすぐに捨てられていた双子の兄弟がいた。

それがトムだったが、そのことを誰も知らなかった。

養護施設で子供たちが行方不明になる事件がたびたび起こる。施設長や雑用係の男たちが白人の子どもをアフリカに売り飛ばしていたのだ。

 

それに気づいたトムとトーマスの冒険が始まる。しかし双子だとは知らない悪人たちはトムだと思って、トーマスを飛行機でアフリカに連れ去ろうとする。父親は必死になってトーマスを捜すが見つからない。

 

トーマスを乗せた飛行機はアフリカに向かって飛び立つ。しかし不審を感じた女性機長は空港へ引き返す。

映画「ホーム・アローン」やディケンズの「オリバーツイスト」を思い出させるような物語だった。

少しばかりのロマンスもあるが、懐かしい子供向けの冒険ファンタジーで、大人たちを子供の頃に戻してくれる。たわいもない物語かもしれないが、それだけに「難しい映画」に疲れたときそれを癒してくれる作品。