自由に気ままにシネマライフ

映画に関する短いエッセイとその他

3時10分、決断のとき 2007年

西部劇の復活

アメリカ、ジェームズ・マンゴールド監督 122分

原作はエルモア・レナードの短篇

南北戦争直後のアリゾナ、干ばつ続きで借金に追われ困窮していた牧場主ダン・エヴァンス、彼には妻と二人の息子がいた。

そんな折、彼は強盗団のボス、ベン・ウェイドを3日後の3時10分発のユマ行の列車に乗せる仕事を200ドルで引き受ける。しかしベンの手下たちが奪い返そうと迫ってくる。

護送しているうちに生きざまのまったく違うダンとベンの間に奇妙な友情が芽生える。ホテルの部屋でベンは自分を見逃せば命を保証して、大金を渡すと取引を始める。しかしダンはそれに応じなかった。

 

「誇れるものが何もない」ダンは命を賭けてこの仕事を成し遂げようとする。

平気で人を殺すような悪人でありながら、絵を描き、聖書を読むという一面を持つベンの複雑な性格がこの映画を興味深いものにしている。

「どう生きるか」「男はどうあるべきか」を問う作品だった。

 

オリジナルは1957年のデルマー・デヴィス監督「決断の3時10分」、これは牧歌的な味わいを持った作品で、何よりも干ばつの土地に雨が降り出すラストシーンが素晴らしかった。