自由に気ままにシネマライフ

映画に関する短いエッセイとその他

デビルズ・バックボーン、2001年

胎児の「悪魔の背骨」

スペイン、メキシコ、ギレルモ・デル・トロ監督、106分

1930年代、スペイン内戦下の人里離れた共和派の孤児院、中庭には不発弾が突き刺さっていた。

義足の女院カルメン、老医師カザレス、若い女教師コンチッタ、元は孤児だった乱暴な管理人ハシント、そして20人ほどの孤児が暮らしていた。

ある日、12歳の少年カルロスが孤児院に連れてこられる。カルロスにあてがわれた12番のベッドは行方不明のサンティのベッドだった。彼は不発弾の落ちた日に、姿を消したのだ。

 

カルロスは毎日、姿の見えない誰かに名前を呼ばれる。それは異様な顔をしたサンティの幽霊だった。幽霊は自分を殺したハシントを連れてきてくれと言う。

孤児院の古い建物や薄暗い廊下や部屋、背骨が露出した胎児のラム酒漬け、底なしの貯水池、中庭に突き刺さった不発弾・・デル・トロ監督の独特の世界観が陰鬱な空気感を醸し出していた。

 

後半、波乱に富んだストーリー展開になり、最後は不思議な余韻が残るスペインホラーの復讐劇で終わった。