自由に気ままにシネマライフ

映画に関する短いエッセイとその他

小さな命が呼ぶとき 2010年

実話に基づいた映画

アメリカ、トム・ボーン監督、109分

エリートビジネスマンのジョンとアイリーンのクロウリー夫妻には3人の子供がいた。6歳の息子と8歳の娘はポンぺ病(筋ジストロフィーの一種)で平均寿命が9年だった。

ジョンは子供たちの治療薬を開発するために会社を辞め、ポンぺ病研究の第一人者ストーンヒル博士に協力を求め、製薬会社を立ち上げる。

ジョンは資金調達に奔走し投資会社を説得する。ところがポンぺ病は希少であり、治療薬には利益が見込めなかった。

 

その上、ストーンヒル博士は偏屈で変人であり、周囲の人々とのトラブルも絶えなかった。ジョンは理論ばかりを重視する博士を痛烈に批判してこう言う「あなたは病気をなおす理論を壁に貼り付けて、一人の命も救えないのだ」

やがて多くの困難を乗り越えて、完治薬ではないが今も使われている治療薬マイオザイムが完成する。

 

ジョンの子供たちを必死に想う気持ちが伝わってきて、目的に向かって一直線に進むその姿に胸が熱くなる。

余命がほとんどない子どもたちを前にして、焦るジョンの行動力にはすごいものがあった。それと同時に新薬開発の偉業には驚くばかりで信じられなかった。

そして今もなおポンぺ病の治療薬の研究は進められているという。