LUCY/ルーシー
2014年、フランス、リュック・ベッソン監督
25歳のルーシーは台北のホテルで韓国系マフィアの麻薬取引に巻き込まれ、CPH4という薬物の入った袋を下腹部に埋め込まれてしまう。その袋から薬物が漏れ出してルーシーの脳は飛躍的な進化をとげる。
やがてルーシーは超人的な能力をもちマフィアたちと戦う。
空想科学映画を楽しんだ少年少女の頃に戻ることが出来れば、これはとても面白い映画だ。アクションもあり、脳科学の講釈もあり、人類がどこから来て、どこへ行くのかという哲学もある。ただ少年少女の頃に戻ることが出来なければマンガチックに見えるかもしれない。もちろん私は充分に楽しめた。
映画では人類は脳の10%しか使っていないという。もしそれが100%になったらどんなことが起こるのだろうか。脳の覚醒が100%に近づいたとき、ルーシーは人類最初の女性と呼ばれるルーシー(約320万年前のアファール猿人)と出会う。
ルーシーと人類最初の女性ルーシーの指が触れ合う。ルーシーは時間も空間も超越した存在になった。
そして完全に脳が100%覚醒すると「私はいたるところにいる」というメッセージを残して、ルーシーは消えてしまう。
「2001年宇宙の旅」が宇宙空間に飛び出す人類を描いたように、「ルーシー」は脳という未知の世界に旅立つ物語だ。人体の外には宇宙があり、内には脳がある。どちらも無限に広がる神秘的な世界だ。