自由に気ままにシネマライフ

映画に関する短いエッセイとその他

蝋人形の館 2005年

人形はいつしか魂をもつ

アメリカ、オーストラリア、ジャウム・コレット=セラ監督

 女性2人、男性4人の若者がフットボールの試合を観戦するために2台の車でスタジアムに向かう。

途中でキャンプをするが、朝になると一台の車のファンベルトが切られており、カーリーと恋人のウェイドは田舎町アンブローズのガソリンスタンドに向かう。

その後を追ってカーリーの兄ニックとその友人も町に行く。フットボールの試合に間に合わなかった二人はキャンプ場に残る。

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アンブローズはカーナビにも載っていない人の気配のない町だった。なぜかそこに立派な蝋人形館があった。その建物自体が蝋でできているというその発想の奇妙さに驚くばかりだ。

 

シャム双生児として産まれた兄弟は、医師だった父親に分離され、弟は母親と同じ蝋人形師になり、兄は異常な殺人鬼で、町の住民全員が蝋人形にされていた。捕らわれたウェイドは生きたまま蝋人形にされてしまう。

 

町の映画館では「何がジェーンに起こったか?」が上映されていた。観客は動かない蝋人形ばかりで、動いているのはスクリーンの中の狂ったジェーンだけだった。

 

蝋でできた蝋人形館は火災で床も階段も部屋も壁も屋根も建物自体が熱気で溶けてゆく。「アッシャー家の崩壊」のように蝋人形館も崩れ落ちてゆく。狂気の夜が明けて・・・

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オープニングからただならぬ雰囲気が漂い、ホラーのツボをおさえたストーリー展開と演出、期待を裏切らない作品だった。

この後、セラ監督は「エスター」「アンノウン」「ロスト・バケーション」などの面白い作品を撮っている。