自由に気ままにシネマライフ

映画に関する短いエッセイとその他

バウンド 1996年

女二人に翻弄される一人の男

アメリカ ウォシャウスキー兄弟監督

5年の刑期を終えて出所してきた女泥棒コーキーはアパートの部屋の改装と排水管工事をしていた。壁が薄くて隣室の音や話し声が聞こえてくる。隣室はマフィアのシーザーと情婦ヴァイオレットが住んでいた。

その部屋でマフィアたちが出納係の男を拷問し、指を切り落としている。出納係の男はマフィアの200万ドルを着服していたのだ。出納係の男は殺され200万ドルは戻ってくる。

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一方、コーキーとヴァイオレットは会った瞬間からお互いに惹かれ合っていた。二人はレズビアンだった。

ベッドで二人は愛し合う「わたしの中にあなたがいる。わたしの一部なのよ。逃げたい、でも新しい生活は一人では始められない」二人は200万ドルを盗む計画を練る。

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ヴァイオレットが銃を向けるとシーザーは「俺を殺すのか、無理だ」と嘲笑うが、「あなたは何もわかっていない」とヴァイオレット、そして・・・。シーザーとの愛人関係はビジネスだった。

ラスト、マフィアの幹部との別れで見せたヴァイオレットのしおらしさ。しかしそれは女のしたたかさだった。

二人はトラックで去ってゆく。トム・ジョーンズの歌う「She's A Lady」が聴こえる。

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ほとんどのシーンがアパートの二つの部屋で展開する。ここで拷問が行われ、ギャングたちの銃撃戦があり、部屋は血まみれになってゆく。

 

おそらく低予算の映画だろうが、エロティックでサスペンスフル、スタイリッシュな色彩、巧みなストーリー、個性的な人間たち、見事なクライムサスペンスだった。

 

後にウォシャフスキー兄弟は「マトリックス」を監督したが、やがて二人とも性転換をして、ウォシャフスキー姉妹になった。