殺し続けると慣れてくる
1892年、ニューメキシコ州、多くの先住民(ネイティブアメリカン)を殺してきたジョー・ブロッカー大尉はシャイアン族の首長イエロー・ホークとその家族をモンタナ州に護送する任務に就く。
かつて二人は敵対関係にあったがイエロー・ホークが末期ガンで故郷のモンタナ州「熊の渓谷」で死にたいと望んだからだ。
その途中、コマンチに夫と娘たちを殺された女性ロザリーを助ける。ロザリーは狂ったように泣き叫び、荒野に穴を掘り、死んだ家族の四つの墓をつくる。
ロザリーは自分が死んだらこの地に葬ってほしいと大尉に約束させる。
彼女を連れてモンタナへの旅を続けるが、ガラガラ蛇のようなコマンチが襲ってくる。大尉とイエロー・ホークは協力してコマンチと戦う。
死期の近づいたイエロー・ホークに大尉が語りかける「あなたも私も多くの友達を失った。過去を振り返るのはよそう、友よ、前に進もう」
故郷の風景を見たイエロー・ホークは「この上もなく美しい」とこの世を去ってゆく。しかしこの地に先住民の墓をつくることを許さない4人の白人が現れ、殺し合いが終わることはなかった。
「アメリカの魂は孤独で禁欲的で人殺しだ、いまだに和らがぬ」(D.Hロレンス)
鉄道が敷かれ、開拓時代が終わり、新しい世紀を迎えようとしていた。西部劇の新時代を予感させる重厚で力強い映画だった。