「出来事には意味がある」と母が言った
アメリカ、スティーブン・スピルバーグ監督、151分
1952年、ニュージャージー州、幼い少年サミー・フェイブルマンは両親に連れられて初めて映画を観た。
列車が車と衝突して脱線するシーンに彼は大きな衝撃を受けた。母親から8ミリカメラを買ってもらい、プライベート・フィルムを撮り始める。
父親の仕事先が変わり、アリゾナ州、カリフォルニア州へと引っ越ししてゆくフェイブルマン一家。
1964年、高校生になったサミーはユダヤ人差別のイジメにもあっていたが、ガールフレンドも出来て、16ミリカメラで卒業記念の映画を撮る。
ピアニストで芸術家肌の母、エンジニアで実利派の父、そして父の友人ベニーとの三角関係が明らかになり、やがて両親は離婚する。
大学生になったサミーは映画の仕事を探していたが見つからなかった。そんな折、CBSがサミーを助手の助手として採用してくれた。そしてプロデューサーがある監督のもとに彼を連れてゆく。
「ニュー・シネマ・パラダイス」を期待すると裏切られる。フェイブルマン一家の家族ドラマであり、サミーと母親の「魂の叫び」が聴こえてくるような映画だった。
サミーがある監督と出会うラストシーンには震えるような感動があった。もうそれだけで満足できる作品だった。