自由に気ままにシネマライフ

映画に関する短いエッセイとその他

セラフィーヌの庭 2006年

逞しくそして脆い一人の女

フランス、ベルギー、ドイツ、マルタン・プロポスト監督、126分

1912年、フランスのサンリス、家賃も払えない家政婦のセラフィーヌは「守護天使のお告げ」で絵を描き始め、讃美歌を歌いながら、一人でひっそりと暮らしていた。

ある日、セラフィーヌの絵が有名なドイツ人画商のウーデに認められる。パリで個展を開こうと計画するが、フランスとドイツの戦争が始まり、ドイツ人でゲイのウーデはサンリスを去ってゆく。

 

やがて第一次世界大戦が終わり、1927年、ウーデはフランスに戻ってくる。そしてセラフィーヌと再会し、絵が以前より上達していると賞賛し、再び個展への準備をする。急に金回りが良くなり、浪費を続けるセラフィーヌだったが、世界大恐慌で個展も延期になってしまう。

いつしかセラフィーヌは精神を病んでゆく。1935年、セラフィーヌは精神病院に収容される。実話に基づいた物語。

 

貧しいながらも自然と共に生きたセラフィーヌの人生はどのようなものだったろう。特異な絵の才能をみせながら、やがて精神病院で一生を終わるとは・・神を愛したセラフィーヌは神に愛されたのだろうか。ふとそんな疑問がよぎる作品だった。