オードリーが語り、近藤弥生子が執筆
オードリー・タンは台湾のデジタル担当政務委員(閣僚)、1981年台北生まれ。15歳で中学校を中退し、スタートアップ企業を設立。19歳の時、シリコンバレーでソフトウェア会社を起業。
2005年、トランスジェンダーであることを公表。デジタル民主主義の象徴として、世界にその存在を知られる。
代議制民主主義は選挙で代表を選ぶが、数年に1度程度の限られた回数の投票だけでは、社会や政治の問題に対する人々の見解が十分に政治に反映されない。
そこでデジタル技術(インターネット)を使ってすべての人がいつでもどこでも、社会問題や公共的課題について優れたアイデアがあれば、社会に提案して広め、政府の政策に反映させることができる・・・これがデジタル民主主義。
どこか直接民主制を思わせ、台湾ではコロナ禍でのマスクやワクチン、そしてソーシャルイノベーション(創造的な解決法で社会的問題や課題を解決する)などに大きな成果を上げたという。台湾ではインターネットが政治を変えてゆく。
「ITとデジタルはまったく別のもの・・IT(情報技術)とは機械と機械をつなぐものであり、デジタルとは人と人をつなぐもの」
「つまり人が機械に置き換えられてはいけない。機械の先に人がいることが大切なのだ」とオードリー・タンは語っている。