大人の恋に嘘はつきもの
フランス、フランク・デュボスク監督
シューズ会社の支社長ジョスランは嘘をつきながら女性との浮気を繰り返す軽薄な中年男だった。
亡くなった母親の家でたまたま母親の車いすに座っている時、向かいに住む美女ジュリーが訪ねてきた。ジョスランはジュリーの気を引こうと身障者のふりをする。
やがて彼女の田舎の実家に招待される。
そこにジュリーの姉フロランスが車いすに乗って現れる。じつはジュリーはジョスランに姉フロランスを引き合わせるのが目的だった。
フロランスはバイオリストであり、車いすのテニスプレイヤーだった。彼女の生き生きとした姿に惹かれてゆくジョスランは、いまさら自分が身障者だというのは嘘だったと言い出せなかった。
友人や秘書に相談して「ルルドの奇跡」が起こったように見せかけようとするが、簡単に失敗する。
最後には嘘がばれてしまい、とうとう「すまなかった、悪かった」と謝罪するが、フロランスは何も言わずに去ってゆく。
彼女は嘘に怒っていたのではなく、嘘だと明かしたことに怒っていた。じつはフロランスは「嘘の恋」を楽しんでいたのだ。女のほうが男より一枚上手だった。
粋なフランス発のラブ&コメディだった。