自由に気ままにシネマライフ

映画に関する短いエッセイとその他

プルートで朝食を 2005年

母親を捜しに行き、父親を見つける

イギリス、ニール・ジョーダン監督 127分

1960年~70年代、北アイルランド紛争が激化し、テロが頻発していたアイルランドの小さな町、リーアム神父の家の前に捨てられていたパトリック(キトゥン)は養母のもとで育てられるが、子供の頃から女装癖があり小さな町では異端視されていた。

成長した彼はロンドンに吞み込まれたという母を捜しに、ロンドンに旅立つ。そこでロックバンド、ぬいぐるみの芸人やマジシャンなどと出会い、人生を学んでゆく。

 

爆破テロの犯人と思われ誤認逮捕されたが釈放され、刑事の紹介で覗き部屋で働くことになる。覗き部屋のパトリックの元にリーアム神父があらわれミラー越しの会話をする。実は神父が父親であり、そして母親の住所を教えられる。

結婚して幸せに暮らしている母親と再会したパトリックは自分の素性を明かすことなく去ってゆく。

「シュガー・ベイビー・ラブ」「風のささやき」映画「慕情」の主題歌など懐かしいヒット曲にのせて物語は進んでゆく。

 

「人生なんて物語と思わなければ辛すぎるわ」パトリックの人生はけっこう過酷で悲しいものだったが、ありのままの自分を受け入れてくれる愛を求めて、堂々と、そして天衣無縫に生きてきた。

やがてパトリックには新しい家族ができ、美しい「女性」として自分の道を歩んでゆく。パトリックを演じるのはキリアン・マーフィー。