自由に気ままにシネマライフ

映画に関する短いエッセイとその他

冬のホームレスたち

ずいぶん前のことだが・・

大阪、白昼の西成、男のホームレスが路上に倒れていた。「まな板の上の鯉」のように身体を痙攣させていた。

大阪駅でホームレスたちがレストランの残版を鍋に入れて温めていた。

 

「夜の姫君」と言われる女のホームレスを見たことがある。汚れた顔、バサバサの髪でスカートの前が血で汚れていた。男のホームレスがあれは生理の血だと言っていた。

f:id:hnhisa24:20211216090423j:plain

大阪駅で、終電に乗り遅れた私はタクシー代もなく、始発まで待とうと思った。冬だったので段ボールを探してきた。その上で寝ようとしたが、地下道の入り口など暖かい場所はホームレスたちが占拠していた。

 

そのうち、金属製のごみ箱に紙や木をいれて燃やすものが出てきた。焚火をしていたのだ。私もその焚火にあたっていたが、すぐにパトカーがとんできた。みんな逃げてしまったが、また別の場所で焚火をしていた。慌ただしい夜だった。

 

やっと始発電車にのって自宅に帰り、一時間ほど眠って、また仕事に出かけた。若いからできたことだ。