妖精を信じるか
1917年、イングランドで実際に起きた「コティングリー妖精事件」をモチーフにしたファンタジー。
第一次世界大戦中のイギリス、母が亡くなり、8歳の少女フランシスは父親が戦場から戻ってくる間、叔父夫婦のもとに身を寄せる。父親は戦場で行方不明になっていた。
12歳の従妹エルシーと仲良く暮らしながら父親の帰りを待つが、「パパはきっと戦死しているのよ」と話し、フランシスは一人ぼっちになるのが不安だった。
ある日、二人が森の中、小川の近くで写真を撮ると、そこには妖精が写っていた。妖精の写真がエルシーの母親から巡り巡って作家コナン・ドイル卿や奇術師のフーディーニの手に渡る。
やがてそれは雑誌や新聞で報道され、大きな話題になってゆく。妖精は本物なのか、それともトリックなのか、真実は明かされない。
妖精たちが飛び交うシーンや美しい森の風景や可憐な二人の少女が魅力的なファンタジー作品だった。物語は現実と幻想の間を行き来する。
そしてラストシーンには妖精たちからフランシスへの贈り物があった。それは「父の帰還」だった。