自由に気ままにシネマライフ

映画に関する短いエッセイとその他

帰らざる河 1954年

ある時は穏やかに、ある時は荒々しく流れる

アメリカ、オットー・プレミンジャー監督

屈強な男マットが大木を斧で切っているオープニングシーンから、酒場の歌手ケイが赤い靴を投げ捨てるラストシーンまで、何度も観たのでよく覚えている。

 

1875年、マット・コルダーはゴールドラッシュにわく町にやってきた。9歳になる息子マークを迎えに来たのだ。マットは刑期を終えて出所してきた。

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酒場の歌手ケイとその恋人でイカサマ賭博師のハリー。ほとんどがこの4人でストーリーは展開してゆく。

ハリーに馬と銃を奪われたマット、マーク、ケイの3人は「帰らざる河」と呼ばれる激流をいかだで下ってゆく。彼らをインディアンたちが追ってくる。

 

ラストシーンの酒場、マットがケイをさらってゆく。「どこに連れてゆくの」「家だ」

「♪ある時は穏やかに、またある時は荒々しく流れる・・♪」河の流れはどこか人生に似ている。

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西部劇「大砂塵」の主題歌「ジャニーギター」と同じようにラストシーンでケイ(マリリン・モンロー)の歌う主題歌「帰らざる河」に酔ってしまう。

傑作でも名作でもないが、なぜかノスタルジックな気分になる娯楽作だった。古き良き時代の西部劇の香りを運んできた愛すべき映画だ。