サスペンスフルな実話の社会派ドラマ
アメリカ、マリア・シュラーダー監督 129分
2016年、ニューヨーク・タイムズ紙の女性記者ミーガンとジョディはミラマックスの大物映画プロデューサー、ワインスタインの数十年にわたる女性への性的暴行についての取材を始める。
しかし被害者の女性たちは報復されることを怖れたり、示談に応じていたりして証言できなかった。彼女たちは今もトラウマに苦しめられていた。ワインスタイン側は事件を巧妙にもみ消していたのだ。
「性加害者の方を守るという法のシステムに問題があった」
記者たちは取材対象から拒否され、ワインスタイン側からの妨害にあいながらも真実の核心をついてゆく。やがて実名を名乗ってもいいという証言者が現れる・・被害者のアシュレイ・ジャドが本人役で出演した。
映画の登場人物はすべて実名だったという。やがて告発が相次ぎ、82名の女性が被害にあっていたことが分かる。
権力にひるむことなく、真実を追求しようとするアメリカのマスメディアの健全性をこの映画に見ることができる。
テンポの良さとグイグイと迫ってゆくストーリー展開。緊張感とサスペンスが入り混じった意欲的ないい作品だった。