語りつくせない思い
1995年、アメリカ、リチャード・リンクレイター監督
パリに向かう列車の中でアメリカ人男性ジェシーとフランス人女性セリーヌは知り合い、お互いに惹かれ合う。二人はウィーンで途中下車して「朝まで歩こう」と街の中を散策する。ウィーンの夜の街をあてもなく歩き回り、愛について、人生について、過去の思い出について、死について、結婚について・・語りあう。
やがて別れの朝がやってくる。二人は半年後、ウィーン駅での再会を約束する。
芝居への招待、女占い師、ホームレスの詩人、クラブでのライブ演奏、レコード店、墓地、教会、大観覧車、ドナウ川にかかる橋、告白ゲーム、電話ゲーム、芝生でワインを飲み、どこからともなく音楽が聴こえてくる、明かりの灯る夜のウィーンは幻想的で夢のようだった。
二人は石畳の道を歩き、カフェや階段やベンチで休み、話はいつまでも尽きる事がない。男と女の嘘と本音が交錯しジョークで笑う、そんな会話に惹きつけられる。
男と女はいつ恋に落ちるのだろう、それがいつ愛に変るのだろう、あれほど話が尽きなかったのに年月が経つと会話が途切れるようになる。
出会いがあり、別れがある。半年後に二人は再会できるのか。二人がどうなっていくのかを確かめたくなる映画だ。
「・・♪これが人生、いつかうまくいく、生き抜く、生き抜く、生き抜く・・♪」