自由に気ままにシネマライフ

映画に関する短いエッセイとその他

らせん階段 1946年

先駆的な古典スリラー

アメリカ、ロバート・シオドマク監督

1906年、馬車が走り、手回しの映写機、ピアノ演奏のサイレント映画が上映されていた時代。ニュー・イングランドの小さな町、3人の女性が絞殺された。

最初は顔に傷のある女、2人目は精神障害の女、3人目は足の悪い女だった。ウォーレン家の使用人ヘレンは口が利けなかった。

子どもの頃の火事のショックで口が利けなくなったヘレン。医者のパリーは彼女に好意を抱いていた。

吹きすさぶ嵐の中、閉ざされたウォーレン家での一夜の出来事。この屋敷にはヘレン、病床のウォーレン夫人、ウォーレン家の兄弟、秘書、使用人夫婦、看護師が暮らしていた。

ウォーレン夫人は10年前にこの屋敷で知的障害の少女が殺されていたのを見ていた。ヘレンにこの家から去ってゆくように説得する。

殺人者は父親に強い男になれと教えられていた。だから弱い障害者をこの世から抹殺しようとしていた。殺人者の正体を知ったヘレンはパリーに電話をかけるが声がでなかった。

 

ロウソクの炎と灯りが深い陰影のある映像を生み出す。怪奇映画のような雰囲気をもった83分間のスリラーを私は楽しんだ。