11歳の少女の成長物語
1972年、ペンシルベニア州マディソン、11歳の少女ベーダは葬儀屋を営む父ハリーと痴呆症気味の祖母と3人で暮らしていた。ベーダは明るくて、活発で元気いっぱいの少女で、周囲の大人たちに温かく見守られていた。
母親はベーダを出産してすぐに亡くなった。だからベーダは母親の死は自分のせいではないかと思っていた。
ある日、死化粧を施す美容師シェリーが葬儀屋で働くことになる。父とシェリーは親しくなってゆく。ベーダは何となく面白くない。でも幼なじみの友達トーマスと毎日のように遊んでいた。そして学校のビクスラー先生に淡い恋心をいだいていた。
ところが父親はシェリーと結婚することになり、その上、事故で大切な友達トーマスを亡くしてしまう。トーマスを思い出し、悲しみに浸るベーダをシェリーは「思い出は大切な宝物よ」と慰める。
片思いのビクスラー先生にも恋人がいた。ベーダははじめて一人ぼっちになる寂しさを味わう。
前半は単に明るい女の子の物語だったが、後半では女の子が初潮を迎え、大人になってゆく姿が描かれる。
懐かしい70年代の音楽が流れ、平和な町の風景は古き良き時代を思わせた。アメリカ映画らしい明るくて少し胸を熱くさせる作品だった。