自由に気ままにシネマライフ

映画に関する短いエッセイとその他

きっと地上には満天の星 2020年

母と娘の絆

アメリカ、セリーヌ・ヘルド、ローガン・ジョージ監督 90分

ニューヨークの地下鉄の廃トンネルで不法に暮らすジャンキーの母親ニッキ―と5歳の娘リトル。

背中に翼が生えるまで地下で暮らそうという母の言葉をリトルは信じていた。ある日、不法居住者たちが市職員に強制退去させられる。ニッキ―とリトルは地上に逃れる。

 

リトルは地上を見たことがなく、あまりの騒々しさと眩しさに驚いてしまう。最初、リトルはビルの灯を「死んだ星」だと思っていた。彼女は初めて夜空を見た。

二人は売春斡旋業者の男のところに行くが、トラブルになりそこを逃げ出し、泊まるところを探して街をさまよう。ところが地下鉄でニッキ―はリトルとはぐれてしまう。何時間も必死に探すが見つからなかった。

不法居住者の男から「もう保護されているだろう、そのほうがあの子にとってはチャンスだ」と言われる。

やっと電車内でリトルを見つけるが、ここでニッキ―は不法居住者の男の言葉を思い出し辛い決断をする。

 

売春で生活費を稼ぎ、ジャンキーでホームレスのニッキ―には娘を育てる資格はなかった。本人は分かっていたが、別れることに耐えられなかったのだ。

 

後半は動きの激しい映像表現でサスペンスたっぷりの作品に仕上がっていた。たった一日の出来事だが、そこには母と娘の絆が凝縮されていた。