自由に気ままにシネマライフ

映画に関する短いエッセイとその他

ドライビング・バニー 2021年

問答無用の強引さ

ニュージーランド、ゲイソン・サバット監督、100分

シングルマザーで40歳のバニーは路上で車の窓ガラス拭きの仕事をしていた。彼女には14歳の息子ルーベンと5歳の娘シャインがいたが、子どもたちは里親に預けられていた。

バニーは子どもたちと一緒に暮らすためには自分の家が必要だった。でもお金がないので妹夫婦の家に居候していた。

ある日、妹の再婚相手のビーバンが義理の娘トーニャに言い寄っている場面に出くわす。姪のトーニャを助けようとビーバンと喧嘩になったバニーは家を追い出されてしまう。

 

バニーは娘の誕生日を祝いたいために、嘘をつき、強引に子どもたちに会おうと里親の元を訪ねる。しかしその為に里親を変えられてしまう。

 

やがてバニーとトーニャは家を出て、一緒にビーバンから盗んだ車で家庭支援局に向かい、新しい里親の住所を聞きだそうとする。しかし正体がばれて支援局に立てこもるが、通報されて警察官に包囲される。

バニーは怒りを抑えられない性格でとてもパワフルだった。たとえそれが社会の「正義」とは違っていても、世の中には法を破る事を躊躇しない人たちがいる。バニーが子供たちと会うために法を破っていく姿には不思議な爽快感がある。

 

しかし自分の「正義」を貫こうとするバニーにはどこかしら「哀しさ」があった。