あり得ないような衝撃的な実話
アメリカ、クリント・イーストウッド監督、142分
1928年3月、ロサンゼルス、電話交換手でシングルマザーのクリスティン、9歳の息子ウォルターが突然、姿を消す。警察に届けるが子供の行方不明の場合、24時間をすぎないと捜索できないと言われる。
5カ月後に戻ってきたのは全く別の子供だった。警察に人違いだと訴えるが相手にされなかった。警察は失態を怖れて、クリスティンを被害妄想の女として無理やり、精神病院に放り込んでしまう。
グスタヴ牧師と弁護士の力を借りて、腐敗した警察組織と闘うクリスティンだったが、不法入国者の少年の告白で事件は思わぬ方向に進んでゆく。この事件には連続殺人犯が絡んでいたのだ。
小さな流れが集まって大きな川の流れになってゆくような物語だった。そして初めから暗雲が漂っていたが、物語は淡々と力強く進んでゆく。
20年代のノスタルジックなロサンゼルスの町並みや電車、人々のファッションが重苦しい雰囲気を少しだけ和らげていた。ハッピーエンドではないけれどたった一つの小さな「希望」が残った。