自由に気ままにシネマライフ

映画に関する短いエッセイとその他

メタモルフォーゼの縁側 2022年

良くも悪くもこれが日本映画

日本、苅山俊輔監督、118分

鶴谷香央理の漫画「メタモルフォーゼの縁側」を実写映画化。ちなみにメタモルフォーゼとは「変化」「変身」の意味。

17歳の冴えない女子高生うらら、彼女は毎晩、こっそりとBL(ボーイズラブ)漫画を読んでいた。うららがアルバイトをする書店で75歳の未亡人雪は美しい絵に惹かれてBL漫画を買う。その内容に驚くが少年たちの恋物語に魅了されてゆく。

 

特に二人は人気作家コメダ優のBL漫画「君のことだけを見ていたい」がお気に入りだった。

二人は意気投合し、やがて雪の一軒家の縁側やカフェでBL漫画を熱く語り合い、年齢差を越えた友情が芽生える。

やがてうららはBL漫画「遠くから来た人」を描くが、たった二冊しか売れなかった。しかしそのうちの一冊は、コメダ優が買っていった。うららと雪はコメダ優のサイン会に行く。

 

BL漫画に惹きつけられていくのが歳の離れた女二人・・これがこの映画のおもしろいところだろう。悪人の出てこない物語で「予定調和」の安心感と気持ちの良さがある。私にBL漫画という世界を教えてくれた作品だった。