自由に気ままにシネマライフ

映画に関する短いエッセイとその他

オードリー・ヘプバーン 2020年

オードリーの知られざる素顔に迫ったドキュメンタリー

イギリス、ヘレナ・コーン監督 100分

オードリー・ヘプバーン(1929~1993年)は初主演作の1953年「ローマの休日」で瞬く間に「映画スター」になった。「ローマの休日はほとんど完璧な作品だった。

両親はナチスの熱烈な信奉者だった。両親は離婚し、その上、父親は突然、失踪してしまう。ナチス占領下、オードリーは幼少期をオランダで過ごした。その時代の食糧難の過酷な体験がトラウマになっていた。

そしてオードリーは両親の愛に飢えた少女時代を過ごした。実生活では二度の離婚を経験し、愛に恵まれなかった。世界一、愛された人が愛に飢えていた。心に深い傷を抱えていた。

1989年、ユニセフの国際親善大使に就任し、アフリカ、南米、アジアなどを訪れ、この活動に生涯を捧げた。彼女がPRするたびに100万ドル以上の寄付が集まった。

飢えた子供たちを見て、罪は犯していないが責任は感じると言い、政治を人道的に変えたいと願う。

ローマの休日」以前の貴重なアーカイブ映像、私生活についての長男や孫娘へのインタビュー、監督や俳優や友人たちの証言で、彼女の素顔が明らかになってゆく。

オードリーのファンなら見逃せない一本だ。